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現代浮世絵師『島崎良平』さんの個展『仙人少女の間』に行ってきました

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アート引越しセンターの社名の由来は、社長の奥さんの趣味が絵画だった事と電話帳の50音順で最初の方に掲載されるからだそうですよ。ってな役にも立たない雑学が好きないぢま@ezm_t )です。コンニチワ。

以前から密かに注目していた現代浮世絵師『島崎良平@ryoheishimazaki )』さんが個展を開いているという事で、最終日(9月2日)滑り込みで行ってきました。

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場所は新宿区大京町の『The Artcomplex Center of Tokyo』というアートギャラリーでした。
島崎さんにとっては、グループ展、個展含め何度か使われているホームグラウンド的なギャラリーのようです。

The Artcomplex Center of Tokyo

西洋のシャトーを彷彿とさせる外観で、1階にカフェが併設され、2階がギャラリースペースになっている実にオサレなところでございましたよ。

そんな洋風な場所で和の作品を拝見するのも、また一興でございます。

いざ『仙人少女の間』へ

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展示スペースに入ってまず最初に目を引くのは今回の個展のテーマにもなっている『仙人少女 裏富士の図』です。

今回の目玉とも言うべき襖絵。
襖4枚を合わせると3m80cm×1m70cmとこれまでで最大のサイズだそうで、アトリエのスペース的に限界のサイズだそうです。
生で見るとホントにデカイ!
中古で手に入れた襖をご自身で綺麗に修復して、作品に仕上げていったと。手先の器用な方は何でも出来ちゃうんですな。

因みに、お願いすれば個人でも襖絵描いて頂けるそうですよ。
お値段は実際の襖を見て、どういった作品にするかを打ち合わせした上でお見積もりさせて頂きますとのこと。
ご興味のある方は島崎さんに連絡を取ってみては如何でしょう。
オイラはもうチョット頑張らないと頼めないかなσ(^_^;)

さて、こんなに大きな作品ですが、実際に目の当たりにするとその繊細さに驚かされます。

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麒麟の鬣(たてがみ)の一本一本まで細かく描かれています。

実はコレが島崎良平作品の特徴でもあるんですね。

鉛筆などで描いた下絵をPCに取り込み、実際の仕上がり寸法でデジタル化した下絵にベジュエ曲線で一本一本異なる線を丁寧に描いていくという気の遠くなる様な作業をして、更にそれをデジタルプリントした後に手彩で色を重ねたり、箔等を加えて仕上げるという手法なのだそうです。
ベジュエ曲線で描く事で0.1mmといった緻密な描写も可能になるという事で、デジタルとアナログを融合した、正に現代の手法な訳です。
なるほど、こうする事でデジタルだけでは出せない柔らかさ、或は力強さを表現しているんですね。

実は、島崎さんは元々はグラフィックデザインを学び、商用デザインやイラストを描くグラフィックデザイナーだったそうです。
ですから、古来の浮世絵や日本画の影響を強く受けながら、その中にグラフィックデザインで培った現代的感性が入ることで現代浮世絵と呼ばれる作品のインスピレーションが生まれるんだそうです。

確かに、島崎さん自身はまだお若いのに、日本古来の風習や伝承といったものにも詳しく、作品に描かれる題材も龍神や麒麟、神仏などが登場します。
でも、それらは程よく現代の風味が加えられていて、重厚感の中にも明るさが見え、だからこそ新しさを感じるんでしょうね。
や、あくまでオイラの想像ですけどね (´∀`〃)ゝ

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例えばこちらの『十二神将立像 まこら大将図』など荘厳な雰囲気を持ちながら、女性の線の柔らかさや、髪のしなやかさ、表情などイラストの様な描き方が作品に独特の世界観を与えている様に感じます。

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どうです。綺麗ですよね。
実物は更に綺麗ですよ。

そそ、今回の個展では島崎さんには珍しい風景画の展示もされていました。

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新潟 八海山田植えの図

IMG 20120903 007新潟 棚田収穫の図
富嶽三十六景を意識した作品だそうです。
色使いも鮮やかで、人物画と違った雰囲気がいい感じですねえ (*´∀`*)

そして、今回の個展では、過去の作品も含めてA3サイズに縮小した作品の販売もされてました。

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全部欲しいところでしたが、オイラが特に気に入ってる作品4点に絞って買いました。
しかも、一点一点直筆でサインまでして頂いちゃいました。家宝にします。
更に今回の展示作品をまとめた画集もあったのでそちらも購入。
因にこの画集の構成も版下も島崎さん自身がPCで作られたそうです。
流石、元グラフィックデザイナーです。

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赤鬼、青鬼

作品全体の印象として、デジタルとアナログを融合させた作品は動きのあるシーンの一瞬を切り抜いた様で、まるで物語を見ている様でした。
オイラがお邪魔した時に丁度いらした方が「コレ動かしたいよね。」と仰ってましたが、正に同感です。
アニメーションとしてビジュアル作品にしても十分に通用する程に作品の中にキャラクターが完成されています
映像クリエーターとのコラボってのもイイんじゃないかと。
ってか、それ見たい。
どなたか、映像クリエーターの方、是非お願いします。

『島崎良平』さんとお会いして

島崎さんとはTwitterでは何度かやり取りをした事があったのですが、実際お会いしたのは今回が初めてでした。
実はオイラ、芸術家の方って、気難しかったり、変わり者だったり、てな勝手なイメージがあったりして、お会いするまでは若干緊張してました。
でもねえ、実際お会いしてお話しさせて頂いたら、話し方も柔らかいし、腰低いし、こっちが恐縮しちゃうぐらい。
何ていうか、とても誠実な好青年って感じでした。

作品に対してもこの誠実さで向き合っていらっしゃるのだろうと思うと島崎さんの作品に惹かれる理由が分かった様な気がしましたね。
ホントに、無理してでも今回行った甲斐があったなと。

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現代浮世絵師『島崎良平@ryoheishimazaki )』さん

また、個展など開かれる際にはお知らせ頂けるそうですし、公式サイトのギャラリーページでは今回ご紹介した作品以外に多数の作品がご覧頂けますので、ご興味のある方は島崎さんの公式サイトTwitterなどをチェックして、是非足を運んでみてください。

ryohei[島崎良平] | 現代浮世絵師
公式サイトの「Gallery」ページには和のモノ以外のポップなイラストもあって、また違った一面を見る事が出来ますよ。

今回最終日にも関わらず、閉館時間までご案内くださった島崎さんには本当に感謝しております。
貴重な体験をさせて頂き、ありがとうございました!

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中の人について

いぢま。

いぢま。Terufumi Ijima

静岡県出身、東京都在住。

1967年5月29日生まれのふたご座、血液型はA型、職業はフリーのシステムエンジニア兼ブロガー兼ライター兼カメラマン。

好きなものは仮面ライダー、特撮モノやSF映画、ギミックの付いたおもちゃ、iPhone・iPadなどのガジェット類、ビール、ウイスキー、飲み会、イベント、などなど。そんな話題を中心に日々情報収集と実践に励んでおります。

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