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【リポート】現代浮世絵師 島崎良平さんの個展『孔雀と女』を見てきました

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B!

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ども、コンニチワ。自分が中学生の頃に一番若かった美術の先生が今では貫禄の学年主任になられていると知って、時の流れに流されて溺れかけているいぢま。@ezm_t )です。

先日の記事で予告した通り、先日(2013年08月31日)現代浮世絵師 島崎良平さんの個展『孔雀と女』にお邪魔してきました。
いやあ、またしても色々刺激を頂いた個展でございました。
新作も多く展示されていましたので、その辺りを中心にご紹介致しますね。

[K]コレは一見の価値あり!『現代浮世絵師 島崎良平展 -孔雀と女-』2013年8月27日よりA.C.T.にて開催 - Knowledge Colors
【前回の記事】

行きそびれてしまった!ってな貴方のお役に立てればコレ幸いにございます。

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ギャラリー

場所は前回の個展『仙人少女の間』でもお邪魔した新宿区大京町の『The Artcomplex Center of Tokyo』というアートギャラリーです。

The Artcomplex Center of Tokyo

[K]現代浮世絵師『島崎良平』さんの個展『仙人少女の間』に行ってきました - Knowledge Colors
【前回個展の記事】

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▲ 展示スペースに入ると美しく鮮やかな色彩が目に飛び込んできました。

展示作品

では、早速、今回の展示作品を新作中心にご紹介していきます。

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7笑、7福、7神(しちわらい、しちふく、しちじん)

おめでたい七福神(宝船)をモチーフにした作品です。
船が龍になっているところがカッコイイですねえ。

実は、この作品に現代のものがコッソリと描かれていますが、お分かりになりますか?
何と、作品の右上に描かれた霞に浮かぶ塔の影の様なもの、よく見るとスカイツリーなんですw こうゆう遊び心がいいですねえ。
オイラは島崎さんに教えて頂くまで全然気が付かなかったです。

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▲ 毘沙門天(多聞天)、凛々しいですね。カッコイイっす。
武将風の姿で描かれた日本式の毘沙門天ですね。
この絵を元に海洋堂さんにリボルテック作って欲しいぐらいに洗練されたお姿でございます。

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紅葉伝説 呉葉 髑髏の穴の図
(もみじでんせつ くれは どくろのあなのず)

信州地方に伝わる鬼女伝説「紅葉伝説」をモチーフにした作品だそうです。
おどろおどろしい絵ではあるのですが、妖艶な呉葉(紅葉)の面立ちに引き込まれてしまいます。

因みに、この絵はこれで完成ではないのだそうです。
作品タイトルにある髑髏の穴とは髑髏の両目と鼻の部分になっていて、この呉葉の立っている洞窟はその片目部分なのだそうです。
つまり、あと2つの作品が揃って1つの大きな髑髏が完成するという事です。
凄いです。壮大です。楽しみです。

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▲ こんな美しい魔物なら取り憑かれてもイイかも。なんて思っちゃいます。
この作品にも、騙し絵的な感じで呉葉を囲む炎の中に髑髏がいくつか描かれています。
これには島崎さんから教えて頂いた瞬間鳥肌が立っちゃいました。

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▲ コチラは、いくつか伝わる紅葉伝説を島崎さんなりの解釈でまとめ、アレンジを加えたオリジナルの和綴じ本です。

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▲ 勿論、ちゃんと中には物語が綴られています。
これイイですねえ。欲しいなあ。

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▲ 吉祥寺 仮想 夏の井の頭公園
(きちじょうじかそうなつのいのがしらこうえん)

この作品は江戸時代の文献などに残っている実在した物売りと2013年現在の吉祥寺周辺のお店やパフォーマーなどの情景を融合させた仮想の世界を描いたものだそうです。
江戸時代の団子屋や金魚売りなどの混じって、あの有名な漫読家さんが居たり、バイオリン弾きの方が居たり、井の頭公園近くの飲食店によく似た名前のお店があったり、まちがい探しのゲームをしている様な楽しい気分になれる作品ですw
展示作品と一緒にそれぞれ個別の解説も掲示されておりましたが、ネタバレすると楽しみが減ってしまうので写真は載せないでおきます。
他にもまだまだ紛れ込んでいますので、ご覧になる機会があれば是非探してみてください。

現代の女性も美しい

さて、現代浮世絵師として日本古来の伝説や芸術作品をモチーフに作品を描かれる島崎さんですが、実は現代の風景や人物を題材にした作品も数多くあったりします。

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金粉少女の入浴(きんぷんしょうじょのにゅうよく)

ちょっとドキッとしちゃいますが、美しい作品ですね。

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▲ こんな作品も。。。
優しい絵です。前掲の呉葉さんとは対照的ですね。
東北太平洋沖地震のチャリティーの為に描いた作品だそうです。
なるほど、どおりで優しい筈だ...。

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▲ こうゆう作品も好きです。
島崎さんの描かれる女性は美しいだけでなく、どこかしら果無げな感じというか、憂いがあると言うか、何か惹かれてしまうんですよね。

さあ、次はいよいよ、今回の個展のテーマにもなっている作品の登場です。

孔雀と女

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孔雀と女(くじゃくとおんな)
265cm × 145.4cmと非常に大きな作品です。
壮観です。淡く明るい色合いなので、より大きく、包み込まれる様な感覚があります。
やはり、この迫力は写真ではなく実物を見に行って欲しいですね。

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▲ 島崎さんが単純作業の繰り返しに何度も心が折れそうになったという孔雀の羽根の部分は幾重にも線と色が重なって、孔雀の羽根の美しさが表現されています。
本当に気の遠くなるような作業ですね。

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▲ 髪の生え際など、相変わらずの繊細さですね。
髪飾りの火焔の様な部分の揺らぎの表現とかオイラは好きです。

アイキャッチ画像に使った写真をご覧頂ければお分かりの通り、これもまた眼力が強く美しい女性が描かれております。
こちらの作品は『孔雀明王(くじゃくみょうおう)』をモチーフに創作されたもので、孔雀はこの絵の女性の守り神的なものだそうです。
違った解釈で描かれた作品で、仏画とは違った荘厳さと美しさを感じる作品ですね。

物販や貴重な下絵も

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▲ 前回の個展でも販売されておりましたが、展示されていないものも含め各作品のスケールダウンコピーの直販もされておりました。
しかも、全ての作品に直筆サイン入りです。
前回アレもコレもと4点+画集も買って帰って嫁に渋い顔されてしまったので、今回は新作の入った画集のみ購入致しました。

いつか実物を購入出来る様に頑張ります。
小さいサイズなら近いうちに買えると思うんですけど、やっぱり大きいヤツ欲しいですね。

そして、今回は貴重な下絵も見せて頂いちゃいました。

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▲ 鉛筆画や墨入れされたものなど、まだPCに取り込む前の段階の下絵をいくつか見せて頂きました。
因みにコレは『7笑、7福、7神』の下絵の一部ですね。
一部ってのがミソです。
島崎さんの作品は、一旦PCに取り込んでからベジェ曲線を使って精細な線を仕上げていきます。
そのため、様々なスケールに対応出来るように、より精細でより大きな下絵をA3程度の大きさに分割して描いているんです。

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▲ しかも、下絵は一作品に一枚だけじゃないんです。
鉛筆画の他に、墨入れしたものなど数枚を描いて徐々に精度を上げていくようなんですね。
下絵の段階から凄い手間を掛けて作り上げているんですね。

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▲ 因みにコチラはあの浮世絵チックな「富士急ハイランド」のTVCMで使われた下絵です。
そう、ジェットコースターのレール部分ですね。
実際のCMはYouTubeでも見る事が出来ますので、完成品と下絵を見比べてみると面白いかもしれません。

どうです?何処で出てきたか分かりましたか?
や、すぐ分かっちゃいますねw スミマセン。

現代浮世絵師 島崎良平さん

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▲ 現代浮世絵師 島崎良平さん(@ryoheishimazaki

見ての通りのイケメンでございます。
そして、イケメンの上に誠実さの伝わってくる優しい話し方、謙虚な姿勢、と非の打ち所がない好青年な訳ですよ。
色々な質問にもイヤな顔1つせず丁寧に答えてくださいます。
今回はギャラリーに入るなり飲み物を勧めてくださったりして、気遣いも細やかだったりします。
こりゃあ勝負になりませんよ。や、そもそも勝負してませんけどねw

前回の個展のリポートでも書きましたが、この誠実さや優しさ細やかさが作品にもにじみ出ている気がします。
オイラ的には島崎さんの作品というより、島崎さんご本人を含めた形でのファンになっちゃってます。
多分、島崎さんご本人をご存知の方は皆さんそうなんじゃないかと思います。

また、年末辺りに個展(グループ展かも)を開かれる予定があるようです。
詳細が分かり次第弊ブログでもご案内致しますので、ご興味持たれた方は今度こそ是非実際の作品と島崎さんと出会っちゃってください。
オイラの言葉にウソが無い事が分かる筈です。や、マジでマジでw

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中の人について

いぢま。

いぢま。Terufumi Ijima

静岡県出身、東京都在住。

1967年5月29日生まれのふたご座、血液型はA型、職業はフリーのシステムエンジニア兼ブロガー兼ライター兼カメラマン。

好きなものは仮面ライダー、特撮モノやSF映画、ギミックの付いたおもちゃ、iPhone・iPadなどのガジェット類、ビール、ウイスキー、飲み会、イベント、などなど。そんな話題を中心に日々情報収集と実践に励んでおります。

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