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自分のSNSとの付き合い方を見つめ直すきっかけに!映画『ザ・サークル』試写会&アフタートークイベント

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ども、コンニチワ。最近は映画ライターなどもさせて頂いております いぢま。@ezm_t )です。ありがとうございます。

さて、今回は、ブロガー向けの映画『ザ・サークル』試写会&アフタートークイベントに参加させて頂きましたので、映画を観た感想をトークイベントの様子など交えながらお伝えしたいと思います。

何かしらのSNSを利用していて映画も好きな貴方のお役に立てればコレ幸いにございます。

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『ザ・サークル』ストーリー

世界No.1のシェアを誇る超巨大SNS企業〈サークル〉。憧れの企業に採用され、奮起する新人のメイ(エマ・ワトソン)は、ある事件をきっかけに、創始者でありカリスマ経営者のイーモン(トム・ハンクス)の目に留まり、自らの24時間をすべて公開するという新サービス〈シーチェンジ〉のモデルケースに大抜擢される。瞬く間に1000万人超のフォロワーを得て、アイドル的な存在になるのだが----。

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(C)2017 IN Splitter, L.P. All Rights Reserved.

原作は、ピュリッツァー賞ノミネート作家デイヴ・エガーズが、現在進行形のSNS社会が孕む脅威を鮮明に暴き、たちまち全米に一大センセーションを巻き起こしたベストセラー小説「ザ・サークル」。
誰もが憧れる超巨大SNS企業・サークルに採用され、徐々にSNSに翻弄されていく主人公・メイ役にはハリーポッターシリーズや美女と野獣のエマ・ワトソン、その巨大企業の創業者でカリスマ的な人気を誇るCEO・イーモン役には名優トム・ハンクスを迎え、現代におけるネット社会の光と闇を描いた映画となっています。

はあちゅう&映画ソムリエ東紗友美トークイベント

さて、そんな映画『ザ・サークル』の試写を観終えると、SNSに縁のある御二方のゲストが登場され、トークイベントとなりました。

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お一人目のゲストは、映画ソムリエの東紗友美さん。

基本的に、SNSをやって良いことばかりだと言う東さん。Instagramのおかげで普段の自分なら絶対に行かないような場所に行くキッカケになったり、自分の中で「ちょっと背伸びした思い出」ができるようになったとの事でした。

唯一ダメだったのはFacebookが流行り始めの頃、毎晩朝まで歴代の元彼を検索して、どういう人にタグ付けされたかとか、どんな人に誕生日おめでとう言われてるかとかをチェックしてたら本当に10時間ぐらい経っちゃって大変だったと。

いやいや、洗練された大人の女性という印象の東さんでしたが、意外と人間味溢れる方だったのねw

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もうお一方のゲストは、炎上クイーン・はあちゅうさん。

普通の人の(SNSに)のめり込んでる状態が自分にとっては普通の状態で、旅行中でもネット見てたりTwitterで呟いたりする。情報を仕入れたりシェアしたりする事が趣味でもあるし楽しみだから普通の事なんだけど、「旅行中にSNSやってやがって!」と叩かれたりするとの事。

本作の炎上シーンに関する話題になった際には「炎上度合が甘いなと思っちゃった。もっと炎上してたら、もっと喋れるのに」と、さすがの貫禄w

透明性とプライバシー

さて、そんな映画『ザ・サークル』を観て、トークイベントに参加して、オイラなりに感じた事がいくつかあります。
まずは情報の透明性とプライバシーの問題。

この映画の中に出てくるSNSサービス『サークル』は全ての情報をオープンにしてしまえば、嘘もつけなくなるし、犯罪も未然に防げるし、助け合う事も出来るという理念を持って色々なサービスを展開しています。情報の透明性こそ至高だという訳です。
では、プライバシーは?という疑問が生まれます。

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(C)2017 IN Splitter, L.P. All Rights Reserved.

良くも悪くも、SNS以前には知り得なかった事を今では簡単に知る事が出来ます。 昔に比べたらかなりオープンな世の中になっていますが、誰にでも他人に知られたくない秘密の1つや2つあるはずで、そこは護られるべきだと思います。
でも、その秘密が犯罪行為や道義的に許されない行為だったらどうでしょう?
どこまでが護られるべきプライバシーなのか、この線引は非常に難しい問題です。

例えば、過去に犯罪を犯した人が何処でどんな生活をしているかという情報は公開されるべき情報でしょうか?それとも護られるべきプライバシーでしょうか?
ある人は「一度罪を犯したやつは必ずまた犯罪に走るから暴露して当然」と言うかもしれません。
また、ある人は「罪を償って更生しようとしてるのだから、そっとしといてあげようよ」と言うかもしれません。

この映画の中にもSNSを使って情報提供を求めて20分で逃亡犯を捕まえるというパフォーマンスを行うシーンが出てくるのですが、何かしらの事情があって止む無く罪を犯してしまったような悲壮感漂う女性がライブ配信されながら大勢の人に追われる姿は観ていてちょっと可哀想に思えてしまいました。

子を持つ親の立場としては、ほんの数パーセントでも再犯の可能性があるなら子供を守りたいから知っておきたいというのが正直な気持ちです。しかし、もし逆の立場で、真摯にやり直そうとしていたら有る事無い事詮索されるのは辛いだろうなと容易に想像できます。
自暴自棄になって、それこそ再び犯罪に走ってしまうかもしれません。

また、有名人と一般人のプライバシーの範疇にも大きな開きがあります。 雑誌やネットメディアでも、テレビでも、有名人のゴシップネタは売れる(バズる)という理由で、何処かがすっぱ抜くと次から次へと追従します。 SNSでも同様に、芸能人やスポーツ選手などは注目されるのだから仕方がないとか、有名税みたいなものだから仕方ないなどと理不尽な正当化をする人たちがいます。
しかし、彼等は仕事として歌ったり、踊ったり、演じたり、試合に臨んでいたりしているのであって、仕事として目に触れる部分とプライバシーを混同するのは間違ってはいないでしょうか。
彼等は才能や技術を提供しているのであって、プライバシーを切り売りしている訳ではないと思うのです。

それとは反対に、自分のプライバシーを安易に拡散している方々もいらっしゃいます。
誰と何処に来ていて何をして、何を食べているのかなど...その程度ならまだ良いと思いますが、中には親しい間柄でもそこまでは知らないだろうというぐらいな赤裸々な告白をしちゃう方もいらっしゃいます。寧ろプライバシーの切り売りをしているのはSNSに翻弄されている一般人の方ではないでしょうか。

情報の透明性や、知る権利など、耳障りの良い言葉に流されて、最低限護るべきプライバシーにまで踏み込んではいないか、それを公開することでどんな影響があるか、簡単に拡散されてしまうSNSだからこそ今一度冷静に考えて使わなくてはいけないなと思った次第です。

無意識の善意と歪んだ正義感

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多くの人はこの情報は有益だとか、この商品は素晴らしいとか、自分と繋がっている人たちに教えてあげたいという素直な気持ちでシェアしたり、或いは、面白いとか、楽しいとか、感動したとか、悲しいとか、そういった感情に対して共感して欲しくてシェアしたり、自分の意見を述べたりする目的でSNSを利用しているでしょう。

そうした時には良いことをしている(少なくとも悪いことではない)と思っているので、その結果が周りに与える影響について無頓着になりがちです。
この映画『ザ・サークル』の中にも、友人の作品が素晴らしいからと写真を撮ってシェアするシーンが出て来ます。ところが、その善意のシェアが物語のクライマックスでの最悪の展開へのきっかけとなってしまうのです。

SNSで繋がるその先には自分とは違う価値観や文化、信仰などを持った人たちがいる事や、ネットの向こう側には悪意を持った人達もいるという事に無意識でいると、善意のつもりで投稿した内容によって人を傷つけたり、炎上したり、悲劇を生むこともあるという訳です。

世の中には、何か間違いや不正、自分とは異なる意見を見つけた際に過剰に反応してしまう人もいらっしゃいますし、攻撃的な反応をしてしまう方々もいらっしゃいます。そうした方々は基本的には正義感から行動しているのだと思いますが、時としてその正義感が暴走して周りが見えなくなることがあるようです。
犯罪者の出身校や住所、家族構成などの個人情報を調べ上げ拡散する人もいらっしゃいます。

彼らもまた自分たちが正しいことをしている(少なくとも悪いことではない)と思っているので、簡単には止められません。意見を言おうものなら数十倍の罵詈雑言が返ってくることもあるでしょう。

しかしながら、それより怖いのは、そうした正義を振りかざす人たちの投稿を疑いもなく拡散する "普通の人たち" だと思うのです。拡散する人たちもまた自分の正義感からシェアしているのですが、その情報が正しいかとか、事実関係とか、全く気にせずに「ヒドイ!」とか「許せない!」といった感情の方が優先される傾向があります。

有名な話ですが、とある芸人さんが、たまたま残虐な殺人犯と同じ苗字で出身地も同じだったことから同一人物だというデマが流れ、それを信じた人たちが「あんな残虐な事件を起こしながら平然とテレビに出て笑ってる。許せない」などといった感情から更に拡散し、デマであったことが証明された以降も拡散され続け、10年以上も様々な方面から誹謗され続け、ネットだけでなく実生活にまで支障をきたしているという悲惨な事案もあります。

歪んだ正義感や、感情に流され暴走した正義感は、時として犯罪に近い状態に至ることもあるのです。何故か人はネガティブな情報は信じやすく、あっという間に広がって根強く残りますが、それを否定する情報はスルーされ易いものです。
特に、短時間で簡単に広範囲に情報が拡散されてしまうSNSにおいては殊更冷静に行動するべきだと思った次第です。

自分自身を見つめ直すきっかけに

この映画『ザ・サークル』は、国家を揺るがすスキャンダルも世界征服を目論む秘密組織や陰謀も出て来ません。現実社会でも起こりそうな身近な恐怖と、SNSを使って人々が繋がる事で得られるメリットが織り交ぜられたバランスのとれた映画です。
だからこそ、観終わった後に自分と照らし合わせてSNSとの付き合い方、ネットの使い方などを振り返るきっかけを与えてくれるはずです。
興味が湧きましたら是非劇場に足をお運び頂けましたらコレ幸いにございます。

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映画『ザ・サークル』は2017年11月10日(金)全国ロードショーです。

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中の人について

いぢま。

いぢま。Terufumi Ijima

静岡県出身、東京都在住。

1967年5月29日生まれのふたご座、血液型はA型、職業はフリーのシステムエンジニア兼ブロガー兼ライター兼カメラマン。

好きなものは仮面ライダー、特撮モノやSF映画、ギミックの付いたおもちゃ、iPhone・iPadなどのガジェット類、ビール、ウイスキー、飲み会、イベント、などなど。そんな話題を中心に日々情報収集と実践に励んでおります。

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