先日のバーチャルギャラリー『NISSAN CROSSING』プレス発表会の取材が御縁で現実世界のイベントにもお声掛けいただきまして、11月23日(火・祝)に開催された『日産あんばさだー はたらくクルマ3』というプレス向けのイベントにお邪魔させて頂きました。
私たちの生活をサポートしてくれている日産のはたらくクルマたちをご紹介いただけるということで期待に胸を膨らませながら一路横須賀へ。期待以上に楽しく勉強になる内容でしたので、その様子をご紹介していきたいと思います。
1記事に詰め込むと相当なボリュームになってしまうので、勝手にカテゴリを分けさせて頂いて 3記事構成でお届けしたいと思います。
- 私たちの生活を支えてくれるクルマ編
- 地球にやさしいクルマ編
- 働き方を変えてくれるクルマ編(※今ご覧の記事です)
※本記事の内容、及び画像・映像等は『日産あんばさだー はたらくクルマ3』プレスイベントを通じて日産自動車株式会社より提供されたもの並びに許諾の元に取材・撮影されたものです。
※画像・映像、その他の著作物の転載はご遠慮ください。
日産あんばさだー はたらくクルマ3 とは
▲ 日産追浜工場に併設されたテストコース『GRANDRIVE』に集結したはたらくクルマたち
一般的な自家用車だけでなく、法人向けや行政などの公共機関向けなどにも広く活躍している日産のクルマたち。テレビや雑誌、新聞、ネットなどでそれら目にする機会もあるかと思います。
もしかしたら、あまりに当たり前に社会に溶け込んでいるのでそれが日産のクルマだと気付かずにいるものもあるかもしれません。
今回で第3回目の開催となるプレス向けイベント『日産あんばさだー はたらくクルマ』はそうした日産のクルマの中でも主に仕事に活用されているクルマや技術にスポットを当て、実際に乗ったり触れたりしながら、利用されている方々や開発に携わっている方々のお話が聞けるというイベントとなります。
今回のイベントに集結したはたらくクルマたちは以下の通り
- 株式会社ローソン 移動販売車両 / NT100 クリッパー
- 厚木市立病院 災害派遣医療チーム「DMAT」移動用車両 / 日産エクストレイル
- 東京消防庁 広報車両 / 日産エクストレイル
- 日産ノート ライフケアビークル / 日産ノート
- 宝自動車交通株式会社 タクシー車両 / 日産リーフ
- 株式会社シンコーフレックス 再生バッテリー使用ゴルフカート LIBCART / 日産リーフ
- コアテック株式会社 再生バッテリー使用スポーツカー eFalcon / 日産リーフ
- 「移動会議室」実証実験車両 Minimo / 日産エルグランド
- NV350 CARAVAN ES MOBILITY CONCEPT / 日産キャラバン
- NV350 CARAVAN OFFICE POD CONCEPT / 日産キャラバン
ラインナップを見て感の良い人はお気づきかと思いますが、3回目となる今回の『日産あんばさだー はたらくクルマ3』では、特殊な場所でしか使われないようなド派手な装備を備えた特殊車両的なものはいらっしゃいません。
いずれも私たちの身の回りでごく自然に日々の生活を支えてくれているクルマたちです。
大袈裟かもしれませんが、これこそが日産の社会貢献に対する姿勢を表しているのかなと思いました。
日本のために必要なものだけど、一般の人の目にも触れず、滅多に使われないような特殊な車両を云億円掛けて作るというのも日産のような技術力を持つ企業であれば可能だと思います。しかし、我々がごく当たり前に利用しているサービスや日々の生活をサポートしてくれるものをより多くの人々に届けるということも立派な社会貢献だと思うんです。いや、寧ろ一般人の我々にはそっちの方が大事かなと。
そして、それこそが今回ご紹介いただいた日産のはたらくクルマたちなのではないかなと思った次第です。
この記事では『働き方を変えてくれるクルマ編』として上記ラインナップの 8.〜10. のクルマたちをご紹介していきます。
ということで、お待たせいたしました。そんな日産のはたらくクルマたちを見ていきましょう!
「移動会議室」実証実験車両 Minimo / 日産エルグランド
▲ 高級感のある黒いハイヤー仕様のエルグランドが会議室!?
こちらの高級感あふれる日産エルグランドはなんと移動会議室。
新型コロナの影響や働き方改革によってリモートワークやテレワークといった言葉が一般化して、特定の場所に縛られることのない働き方が広まった昨今。会議においても同じく、物理的な会議室に集まる必要もなくなってきています。
そんな中、大日本印刷株式会社、日産自動車株式会社、株式会社ゼンリン、ソフトバンク株式会社、株式会社クワハラの 5社がタッグを組んで車の移動中に快適に Web会議ができる『移動会議室』の実証実験を2021年6月から約3ヶ月に渡って東京都と神奈川県の一部地域で行ったとのこと。
その実験車両がこの『「移動会議室」実証実験車両 Minimo』というわけです。
忙しいビジネスマンや経営者の方々の移動時間の有効活用は昔から課題で、一昔前にはノートパソコンとモバイル通信の普及によってひとつの転換期を迎えました。そして今、感染リスクの軽減や情報漏洩のリスクを回避しながら移動時間を有効活用するという新たなフェーズに入っているということなのでしょう。
▲ 運転席と後部座席の間に壁が設けられ大きなモニタが設置された車内
高級ミニバンのゆったりとした空間に覗き見防止の偏光フィルタ付きの大型モニタ、後続車からの視線を遮るシェード、運転席との間にも隔壁があって情報漏洩防止にも配慮された作りになっています。
実際にテストコースを走行しながら模擬会議的にこの車両の説明をしていただきましたが、大きなモニタなので結構小さめなフォントまで読めましたし、正面を向いて話せるので画面を注視していても車酔いするようなこともありませんでしたね。
通信状態についても映像品質や音声品質が低下するような場合でも絶対に切れないということに重点を置いて開発されているとのことで、試乗中もテストコースの奥の方で若干音声が聞き取りづらい瞬間があった程度で自宅の固定回線でオンラインミーティングしている時と比べても遜色ない感じでした。
▲ 運転手とのコミュニケーションは専用端末を介して行う
運転席とは隔たりがあるので直接声を掛けることも掛けられることもできません。
運転手さんとのコミュニケーションは座席横に設置された専用端末を介して行います。使用頻度の高いやり取りはボタンとして用意されているのでワンタップで意思表示が可能で、音声通話も可能なので困ることはまずないと思います。
実証実験が終わったばかりで実用化はもう少し先の話かとは思いますが、エグゼクティブな方々の移動時間を有効活用することで社会貢献する立派なはたらくクルマが出来上がっていく過程を垣間見られた貴重な体験でした。
NV350 CARAVAN ES MOBILITY CONCEPT / 日産キャラバン
▲ 開放感ある自然の中でのびのびと仕事も遊びも満喫する
ここからはワーケーションをコンセプトとして一般ユーザーに働く場を提供してくれるはたらくクルマが2台続きます。
まずは『NV350 CARAVAN ES MOBILITY CONCEPT』。こちらは日産自動車とトランスポータープロショップ『オグショー』とのコラボレーションで開発されたモビリティオフィスとも言える車両になります。
使用されているパーツは既に市販されているものや間もなく市販されるものなので個人でも購入可能とのことでした。
その中でも驚きのパーツが『電子シェード』です。
展示車両の後席側面の窓は色味が違っていたので視界を確保しつつ日差しを和らげる程度の遮光フィルムが貼られているのかと思いきや、スイッチひとつで透過度が切り替わる電子制御のシェードでした。
▲ 外にいる人が認識できる程度の色の薄いスモークフィルムが貼られているのかと思いきや...
▲ スイッチを操作すると一瞬で真っ白な磨りガラス状態に!
おお!これセレブな人のおうちの浴室とかお洒落なオフィスの会議室とかで見るやつやー!
これは特殊な窓ガラス使った特別仕様のクルマなんだね。と思ったら、なんとこれ、後付けできるウィンドウフィルムタイプとのこと。
この『電子シェード』は今後ディーラーオプションとして対象車種を増やしていく予定とのことで、既に日産車にお乗りの方も取り付けられるようになるということです。
車中泊する際などでカーテン開けたり閉めたり、吸盤で貼り付けるタイプのシェードを貼ったり剥がしたり、といった面倒から解放されてスマートなカーライフが楽しめそうです。
なるほど、この『NV350 CARAVAN ES MOBILITY CONCEPT』は、スマートなワーケーションをサポートしてくれるはたらくクルマということですね。
NV350 CARAVAN OFFICE POD CONCEPT / 日産キャラバン
▲ 特徴的なワーキングスペースが大きくせり出す近未来的デザイン
続いては、後方に大きく迫り出したワーキングスペースが特徴的な『NV350 CARAVAN OFFICE POD CONCEPT』です。
こちらの車両は昨年の『TOKYO AUTO SALON 2020』に出展予定だったコンセプトカーとなります。
残念ながら出展はされなかったので実物を見られるのは非常に貴重な体験と言えるかもしれません。
特徴的なワーキングスペースは適度に日差しを遮りながら作業者背後の大きな開口とテーブル部分の特徴的なデザインによって風が吹き抜けるようになっています。
春や秋など季節の良い時には爽やかな風を感じながら気持ちよく作業ができるというわけです。
もちろんワーキングスペースは格納式なので天気の悪い日や冬の寒い時期などは空調の効いた快適な車内で思いっきりお仕事できます。
▲ 足元の視界にまでこだわったデザイン
そして、自然を感じることへのこだわりは足元にまで及びます。
足元の視界からも自然が感じられるように床を透明にし、ワーキングチェアはメーカーさんの許可を得て脚部を取り払って固定式にすることで極力視界を妨げるものを無くしたのだそうです。
これによって車体の後方に大きくせり出す構造を活かして、クルマを川のすぐそばに停めれば京都の川床(かわどこ)のように足元を流れる川の涼を感じながら仕事に勤しむこともできるというわけです。
あるいは、落ち葉が舞う山間のキャンプ場などでは紅葉の絨毯の上で作業なんてこともできますね。
▲ 車内から伸びるハシゴと謎のハッチ
さらに、車内を覗くとハシゴらしきものと天井にはハッチのような切り込みが目に止まりました。
その正体は、なんとルーフバルコニーへの出入り口でした。
今回の展示車両はデザインモックのため残念ながらこちらから出入りすることはできませんでしたが、実際にはここからルーフバルコニーへ出られるようになるとのことです。
そうなんです。ルーフバルコニーまで付いているんです。
仕事の合間にひなたぼっこしながらくつろいだり、仕事終わりに星空を見上げならお疲れ様の一杯なんておしゃれ過ぎます。
近い将来そんな働き方が一般的になるかもしれない。いや、そうなって欲しい。と、夢が膨らむ素敵なコンセプトカーですね。
あとがき
私たち一般のユーザーにとってもクルマは最早単なる移動の手段ではなくなっています。
オートキャンプなど寝泊まりする場所であったり、大好きな曲をかけて自分の世界に浸る場所であったり、恋人や友人、家族と語らいの場であったり、そんなクルマという乗り物の働く場所としての役割にスポットを当てた今回のクルマたち。
新型コロナウィルスの影響や働き方改革、情報機器や通信インフラの充実によって私たちの働き方も大きく変わってきている中、働く場所はもう固定する必要すらないのではないでしょうか。
自由な場所で、自由なスタイルで働くという新たな働き方。
今回ご紹介したクルマたちは、その方法を提供してくれて私たちの働き方を変えてくれる、まさに私たちが快適に働くためにはたらくクルマといえるかもしれません。